試験醸造:枯らし

出麹前の枯らしは、白麹によるクエン酸生成を促進させる工程です。
種付け後約40時間をめどに麹の温度を急降下させます。
クエン酸を大量につくることが、焼酎の麹の特徴です。

(宮崎県食品開発センターにて撮影)

試験醸造:切り返し

麹の胞子が伸びてきて、麹同士がくっついて熱がこもりやすくなります。さらにはガスの発散や酸素の供給を促すために切り返しを行います。

(宮崎県食品開発センターにて撮影)

試験醸造:床揉み

適温に放冷された蒸麦を製麹室に移動し種付けします。
使用した種は河内菌(白麹)
菌の繁殖のために湿度と温度を保ちながら2日間室の中で管理します。

(宮崎県食品開発センターにて撮影)

試験醸造:放冷

放冷工程です。
よくほぐれたら、ゆっくりとかき混ぜながら、麹菌の種付けに最適な温度となるよう調整します。

(宮崎県食品開発センターにて撮影)

試験醸造:蒸し

蒸麦工程です。
今回は一辺が50cm程度の小型の甑を使います。
5段くらいありますが、一番上の段にミヤザキハダカ、2番目にニシノホシをそれぞれ6kgずつ入っております。(1kgは分析用)

(宮崎県食品開発センターにて撮影)

試験醸造:洗麦・浸漬・水切り

2008年7月14日月曜日。ミヤザキハダカ麦の試験醸造の開始日である。
この実験は、15kgのミヤザキハダカ麦と同じく5kgの二条大麦ニシノホシを同条件で醸造し、それぞれの官能評価と機器分析評価を行います。

初日は焼酎造りには最も重要な行程で作業量も多く1~6の作業を行いました。
1.洗麦、2. 浸漬 、3.水切り、4.蒸し、5.放冷、6.床もみ

写真の
1枚目は、洗麦と浸漬、水切りに使う道具
2枚目は、水切り中のミヤザキハダカ
3枚目は、水切り中のニシノホシ(佐賀産)

写真では分かりにくいのですが、ミヤザキハダカの方がやや黄色い色をしております。吸水率はほぼ同じでした。

(宮崎県食品開発センターにて撮影)
漬浸

ミヤザキハダカ漬漬

ニシノホシ漬漬

ミヤザキハダカ

ニシノホシ

浸漬中

漬浸中2

漬浸中3

試験醸造:原料搬入

2008年7月。本格的にミヤザキハダカの栽培を行うかどうか、醸造好適性を見極めるために宮崎県宮崎市佐土原町の宮崎県食品開発センター応用微生物部と共同研究契約を結び、試験醸造を行いました。

食品開発センター応用微生物部は県内の多くの蔵がお世話になっている宮崎酵母を培養販売しているところです。

今日は約40kgのミヤザキハダカ原料麦の搬入と打ち合わせ。
いよいよ来週月曜日の朝から、試験場での仕込みがスタートします。

1枚目の写真は甑、約5kgの麦を蒸すことができます。
2枚目の写真は麹室です。
3枚目の写真は蒸留器。 張り込み量はわずか5リットル。

(宮崎県食品開発センターにて撮影)
甑

麹室

蒸留器

よみがえれ、古代麦:収穫

2008年5月17日、収穫日。
わずかに残っていた貴重な種籾。責任重大の栽培でした。
今は無事に収穫できて、県にも新しい種をお返しできるのでホッとしています。

3枚目の写真は収穫の様子。稲作用のコンバインで麦穂を刈り取ります。刈りながら同時に脱穀までされて、麦わらは自動的に紐で束ねられて排出されます。

4枚目の写真はコンバインの中に収穫された麦籾を、軽トラックに排出されている写真です。県の農業改良普及センターの方と、振興局の担当官が収穫の様子を見に来てくれました。

5枚目の写真は、精米所です。収穫された籾は痛んだり、虫がつかないようにすぐに乾燥機にかけられます。約2日間かかるそうです。

よみがえれ、古代麦:収穫

よみがえれ、古代麦:収穫

よみがえれ、古代麦:収穫

よみがえれ、古代麦:収穫

よみがえれ、古代麦:収穫

よみがえれ、古代麦:倒伏

5月2日、高さが120センチに到達しました。
残された文献どおりの高さです。

一昨年栽培した裸麦イチバンボシのほぼ倍の高さです。
この高さが在来種である証でもありますし、農家泣かせでもあります。

今回、5畝くらいの畑を2枚植えていますが、そのうち片方が一部倒伏してしまいました。
次年度では、倒伏対策が大きな課題となりそうです。

よみがえれ、古代麦:倒伏

よみがえれ、古代麦:倒伏

よみがえれ、古代麦:倒伏

よみがえれ、古代麦:出穂

都城盆地も日差しが徐々に強くなり、桜もちらほら咲き始めました。
庭に植えたチューリップも見事に咲きました。

ミヤザキハダカ麦に、出穂(しゅっすい)の時期が到来しました。
一本もぎ取って、茎を裂いてみますと、
ちっちゃな穂がびっしりとできていました。
いよいよ茎から出てきて後には麦の種に稔るのです。

よみがえれ、古代麦:出穂

よみがえれ、古代麦:出穂

よみがえれ、古代麦:出穂

よみがえれ、古代麦:出穂