月別アーカイブ: 2008年8月

試験醸造:蒸留

ついに待望の蒸留の日がきました。
蔵でもそうですが蒸留の日はいっそう緊張します。
蒸留は、宮崎裸のもろみとニシノホシのもろみそれぞれ常圧蒸留と減圧蒸留しました。
もろみ張り込み量は一回の蒸留で約8リットル。
一升瓶で約1本半の原酒が獲得できます。
蒸留器の高さは約1m半。でも大型の蒸留器と値段はそれほど変わらないそうです。
ハナが垂れてきた瞬間、フワッと高い香りが実験室に充満していくのがわかります。
その瞬間、思わず熱いものが胸にこみ上げてきました。
これから数か月かけてガス抜きと、ろ過をしていきます。
残った蒸留廃液は、試験場で研究用に使われます。

1枚目:常圧蒸留中
2枚目:ハナタレ
3枚目:蒸留廃液

数ヶ月後、センターの方々による官能比較と、機器を使った分析を行い、ニシノホシと宮崎裸の違いを調べます。

(宮崎県食品開発センターにて撮影)

試験醸造:試留

蒸留の前に試留(しりゅう)という作業を行います。
試留とはもろみのアルコールを測定して、蒸留後にどれくらい焼酎を収得できるかを試算する行程です。
酒税法ではこの試留の結果の記録義務があります。

試留はもろみのろ液(もろみから発酵かすを取り除いたもの)を試留器と呼ばれる小型の蒸留装置で行うのが通常です。
三角フラスコにもろみ入れ、加熱沸騰させて留液をとります。
そして最後に酒精度浮ひょうを使ってアルコール測定します。

今回はアルコメイトという計測機器を使いました。

(宮崎県食品開発センターにて撮影)

試験醸造:二次もろみ

小仕込みのせいか、蔵のものとは勢いが違い、少し発酵が弱いようです。
今回の2次もろみでは3日目に最高温度30度~35度前後に設定しております。
もろみの発酵期間は2週間前後です。