蒸留後の原酒には多成分のガスを含みます。
これをうまく取り除くために、定期的に容器の移し替えや櫂入れを行いながら、貯蔵します。
そしてアルコールを調整するために和水と、余分な油や濁りを取り除く目的でろ過を行います。ろ過の方法はいくつもありますが、今回は、塚本鑛吉商店製のオムニテストフィルターを使いました。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)
蒸留後の原酒には多成分のガスを含みます。
これをうまく取り除くために、定期的に容器の移し替えや櫂入れを行いながら、貯蔵します。
そしてアルコールを調整するために和水と、余分な油や濁りを取り除く目的でろ過を行います。ろ過の方法はいくつもありますが、今回は、塚本鑛吉商店製のオムニテストフィルターを使いました。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)
ついに待望の蒸留の日がきました。
蔵でもそうですが蒸留の日はいっそう緊張します。
蒸留は、宮崎裸のもろみとニシノホシのもろみそれぞれ常圧蒸留と減圧蒸留しました。
もろみ張り込み量は一回の蒸留で約8リットル。
一升瓶で約1本半の原酒が獲得できます。
蒸留器の高さは約1m半。でも大型の蒸留器と値段はそれほど変わらないそうです。
ハナが垂れてきた瞬間、フワッと高い香りが実験室に充満していくのがわかります。
その瞬間、思わず熱いものが胸にこみ上げてきました。
これから数か月かけてガス抜きと、ろ過をしていきます。
残った蒸留廃液は、試験場で研究用に使われます。
1枚目:常圧蒸留中
2枚目:ハナタレ
3枚目:蒸留廃液
数ヶ月後、センターの方々による官能比較と、機器を使った分析を行い、ニシノホシと宮崎裸の違いを調べます。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)
蒸留の前に試留(しりゅう)という作業を行います。
試留とはもろみのアルコールを測定して、蒸留後にどれくらい焼酎を収得できるかを試算する行程です。
酒税法ではこの試留の結果の記録義務があります。
試留はもろみのろ液(もろみから発酵かすを取り除いたもの)を試留器と呼ばれる小型の蒸留装置で行うのが通常です。
三角フラスコにもろみ入れ、加熱沸騰させて留液をとります。
そして最後に酒精度浮ひょうを使ってアルコール測定します。
今回はアルコメイトという計測機器を使いました。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)
小仕込みのせいか、蔵のものとは勢いが違い、少し発酵が弱いようです。
今回の2次もろみでは3日目に最高温度30度~35度前後に設定しております。
もろみの発酵期間は2週間前後です。
2008年7月29日。二次仕込み作業です。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)
2008年7月22日。二次仕込み用の掛け麦を蒸します。
ミヤザキハダカ、ニシノホシそれぞれ10kg、合計20kgを一度に蒸します。
製麹用の麦は甑で蒸しましたが、二次の麦は量が多いので、ステンレス製の蒸し器を使いました。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)
出麹酸度はミヤザキハダカが6.94、ニシノホシが6.08でした。
ミヤザキハダカ麦の方が、酸がよく出ております。
一次もろみは約6日間かけて発酵します。
一次汲水歩合(麹量に対する仕込み水の量)は120水。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)
麹と水と酵母をあわせます。
使用酵母は、宮崎県食品開発センターの宮崎酵母(MK021酵母)。
今回は河内菌以外、オール宮崎産(宮崎の麦、宮崎の水、宮崎の酵母) です。
(宮崎食品開発センターにて撮影)
出麹前の枯らしは、白麹によるクエン酸生成を促進させる工程です。
種付け後約40時間をめどに麹の温度を急降下させます。
クエン酸を大量につくることが、焼酎の麹の特徴です。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)
麹の胞子が伸びてきて、麹同士がくっついて熱がこもりやすくなります。さらにはガスの発散や酸素の供給を促すために切り返しを行います。
(宮崎県食品開発センターにて撮影)